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2018年6月17日

「天然歯とインプラント周囲の長期的な安定を求めて~State of the Art」開催

第8回日本国際歯科大会の演者が集い、「接合上皮マージン」をキーワードに前哨戦盛況

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 さる6月17日(日)、大崎ブライトコアホール(東京都)においてシンポジウム「天然歯とインプラント周囲の長期的な安定を求めて~State of the Art」(特定非営利活動法人日本メディカルコンシェルジュ協会主催)が盛大に行われた。

 「2018年10月の第8回日本国際歯科大会で演者にも選ばれている盟友たちが天然歯とインプラント周囲の長期的安定に関する最先端をお伝えするシンポジウム」と銘打って、ネクストジェネレーションのプレゼンター中村航也氏(京都府勤務)、松山智子氏(東京都開業)の2名を除く(2名とも月刊誌「ザ・クインテッセンス」の「My First Stage」に登場)、すべての演者が第8回日本国際歯科大会の演者として登壇予定で、その前哨戦ともいえるもの。当日は「接合上皮マージン」をキーワードに、行田克則氏(東京都開業)、久保哲郎氏(歯科技工士、oral design OSAKA)、松山智子氏、滝澤 崇氏(歯科技工士、oral design彩雲)、杉元敬弘氏(京都府開業)、中村航也氏、牧草一人氏(京都府開業)、小田中康裕氏(歯科技工士、oral design彩雲)、青島徹児氏(埼玉県開業)の9名が登壇(講演順)。常日頃から行田氏、牧草氏らが提唱するbiologic widthの接合上皮幅への疑問や、S shape profileをはじめとしたエマージェンスプロファイルに与える形態の検証の場となった。

 とくに『「不自然な自然さ」または「自然な不自然さ」』と題した杉元氏の講演は、S shape profileにゴールを見据えたうえで、前歯のガイドの形態が顎運動の変化をもたらすことを力説。上顎前歯舌側、下顎前歯唇側の角度・形態が顎運動に大きな意味をもつとした。また、最後に登壇した青島氏は「Junctional EpitheliumからOral Barriologyを科学する」と題して講演。故・月田承一郎氏(京大教授)が腸内環境におけるバリアシステムとして提唱した造語「berriology」を口腔内に当てはめ、口腔内バリアの破綻が補綴修復治療の失敗を招くとして、上皮細胞(接合上皮)の接着様式の保護・非侵襲の重要性を訴えた。

 行田氏の演題「縁下マージンはメインテナンスフリー」は混乱を招きやすいが、要は縁下マージン部のヘミデスモゾーム結合をはじめとした接着様式は強固で、メインテナンスフリーに近いほどの自浄作用があるということを前提に、各演者それぞれの試みが披露され、10月の第8回日本国際歯科大会に弾みをつける催しとなった。