2018年7月22日掲載
「歯周病の病態と歯周治療の意味を再考しよう!」の題で村上伸也氏が講演
「2018 COCO DentMedicalセミナー in大阪」開催

午前は、主に歯周病の病態についておさらいも兼ねてていねいに解説された。歯周病はプラークが原因となって発症・進行する感染症であり、プラークコントロールが重要であることは言うまでもないが、それだけでなく、患者個人のリスク因子がどれだけ蓄積されるかによって病態は変わるため、そのコントロールも必要であるとされた。
午後は、まず歯周病と全身疾患の関連について文献をふまえて情報が整理された。氏は、「関連があること」と「因果関係があること」は区別しなければいけないと指摘するとともに、エビデンスの有無にかかわらず歯科医療者として患者の健康を守る姿勢を貫くべきであるとあらためて強調した。つぎに先月EuroPerio9で発表された歯周病の新分類についても言及。これまで用いられてきた「慢性歯周炎」と「侵襲性歯周炎」を統合し、Stage(診断時における歯周組織の破壊程度)とGrade(歯周病の進行速度)によって分類するなど変更内容について紹介しながらも、今後臨床でどのように定着するか様子を見る必要があると述べた。
講演後には、石原代表や参加者からの質疑応答も時間を超過するほど行われるなど、終始盛り上がりを見せた。