2018年11月18日掲載
「“人生100年時代”のプラークコントロール」をテーマに
綾の会35周年記念ミーティング開催

午前の部では、金子 至氏(長野県開業)による開会の辞のあと、副代表の宮下 徹氏(長野県開業)が綾の会の35年について、当時の写真や、その間に診てきた自身の症例とともに振り返った。
次に、大会テーマでもある「“人生100年時代”のプラークコントロール」と題したプログラムでは、金子氏と、綾の会に所属する3名の歯科衛生士が登壇。ひと昔前に比べて国民の口腔衛生習慣が変化しているとともに、超高齢社会にともない平均寿命が格段に延伸していることから、そうした時代の変化に合わせたブラッシングの戦略を再考する必要があると述べ、その解決策として、歯面に歯ブラシの毛先を直角に当てる「ライトアングル法」で歯肉退縮を予防することや、患者一人ひとりに合わせた口腔衛生用品の選択の重要性などについてそれぞれの視点から解説された。
続けて、松本絹子氏(歯科衛生士・金子歯科医院)が「長く続けたからわかった歯科衛生士という仕事のすばらしさ」と題して講演を行った。綾の会発足当時から長年研鑽を積みながら臨床を続け、多くの患者を診てきた氏の経験が多数の長期症例を交えながら披露され、参加者の耳目を集めた。
午後の部では、分科会に分かれ、歯科医師セッション、歯科衛生士セッション、歯科技工士セッション、歯科衛生士・歯科助手・受付セッションが会場別に行われたのち、再び全体会として、金子氏による「“歯ブラシ処方箋”の紹介」が行われた。午前の部でも述べられた時代の変化を受けて、氏が10数年前より構想を練っていた“歯ブラシ処方箋”について、「医師による薬剤処方と同様に、歯科医師や歯科衛生士が専門的知識をもとに口腔衛生用品を処方し、正しい使用方法を個別に指導することで、口腔の健康だけでなく、全身の健康を獲得、維持できるようにしたい」と、その目的について再度強調した。
なお、歯ブラシ処方箋については、来年1月発刊の同名の『歯科衛生士』別冊(クインテッセンス出版刊)読者限定で、出力サービスを提供開始予定。