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2019年6月2日

BBA Academy Tokyo Japan開催

Frank Zastrow氏(ドイツ開業)によるハンズオンが行われる

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 さる6月2日(日)、アキバプラザ(東京都)において、BBA Academy Tokyo Japan(SBIC主催、中澤 玲主宰)が開催され、Frank Zastrow氏(ドイツ開業)のハンズオンが行われた。

 日本ではまだあまり知られていないZastrow氏であるが、ヨーロッパでは著名な口腔外科医として名高く、BBA Academyを立ち上げ、世界中で骨増生を中心とした講演活動を行っている。その骨増生コンセプトは、自家骨のみを用いて、人工骨もメンブレンも一切使用しない。さらに、待時期間も約3か月程度だという。

 本会では、そのコンセプトがハンズオンを通じて学べるということもあり、SNSでのみ告知されたにもかかわらず、北は北海道から南は九州まで、さらには台湾、シンガポール、フィリピンから約20名の参加者が集まった。終日にわたって中澤氏(東京都開業)による進行と片渕三千綱氏(米国開業)による逐次通訳のもとで行われた。

 まず、座学が行われ、Zastrow氏の骨増生コンセプトとその手法について詳説された。手法の概要としては、下顎枝前部の外側よりブロックとして骨を採取し、ダイヤモンドディスクで2枚に切断して板状にした後に、スクレイパーを用いてさらに薄く加工する。そして、スクレイパーによって得られた骨片は、さらに細かく粒状とし生理食塩水に浸す。増生したい形状に合わせて増生部へ骨板をボーンスクリューで固定し、板と骨の間に骨粒を詰め込み、縫合を行う。

 この手法では、純粋に患者の自家骨のみを使用することで、骨移植材料と比較して多くの適応症があり、強力な骨誘導能を有し、術後の感染の心配もないという。また、旧来の自家骨を用いた骨増生と比較すると、旧来の手法では皮質骨の厚いブロックのまま使用されるため、血液供給が行きわたるのに長期間かかり、骨吸収が起きてしまうが、本手法では骨壁を薄くして骨粒とすることで、血液供給が細部まで行きわたり、活きた骨が増生され吸収が起こりにくいという。

 午後は座学で学んだことをもとに、下顎模型を用いた骨の採取と骨壁への加工、豚顎を用いた増生部周囲の軟組織処置のハンズオンが行われた。ステップごとにZastrow氏による細やかな指導が行われ、充実した実習となった。

 なおZastrow氏は、2020年10月に横浜で行われるWorld Young Dental Innovators’ Meeting(クインテッセンス出版主催)に登壇する予定である。注目していただきたい。