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2019年11月10日

第19回日本訪問歯科医学会開催

在宅医療における現状とこれからの歯科のあるべき姿を考える会に

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 さる11月10日(日)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター ソラシティホール(東京都)において、第19回日本訪問歯科医学会(守口憲三実行委員長、野坂洋一郎学会長)が「今だ!夢ある医科・歯科・介護連携 」のテーマで開催された。

 午前中に行われたシンポジウム「訪問歯科における医科歯科連携」では、柿木保明氏(九歯大教授)を座長に迎え、長崎修二氏(福岡県開業・医師)、原等子氏(新潟県立看護大准教授・看護師)、武井典子氏(公益社団法人日本歯科衛生士会会長・歯科衛生士)、久篠奈苗氏(東京家政大准教授・作業療法士/歯科医師)の4名が登壇。

 講演では、自宅だけではなく、シルバーハウジングやケアハウス、特別養護老人ホームなど高齢者の住まいの多様化にともない、求められる医療ニーズもさまざまであることから、より連携が求められている現状が示された。そのためにも、多職種間における情報共有が必須であり、とくに仲介者であるケアマネを含めた連携が重要であると説かれた。

 柿木氏からは、訪問診療の現場における病態理解と薬剤情報の把握の重要性が強調された。さらに、自身の入院経験をふまえて「多職種連携では、連携したくなる人になることが基本だ」と会場へエールが送られた。

 午後の特別講演1「在宅医療と医科歯科介護の連携について」では、佐々木 淳氏(医療法人社団悠翔会代表・医師)が登壇。はじめに、高齢化にともない疫病構造は変化することから、地域で支え合い完結する医療へとシフトしていく必要があり、医療の役割が変化していくことが説明された。さらに、入院により要介護度を悪化させているデータが示され、予防医学の重要性が説かれた。予防のひとつとして「食べることが基本」とし、高齢者における過剰なタンパク・塩分制限が低栄養につながっていると問題が示された。

 特別講演2は、村松謙一氏(日経BP社 日経ヘルスケア編集長)により「医療・介護政策と医科・歯科・介護業界の動向」が行われた。医療費の拡大抑制のため、中小病院や医療機関にも在宅医療を担ってほしい狙いがあるなど昨年度の改訂の背景を詳説。在宅医療の人手不足が予想される「2040年問題」を見据えた2020年度改訂の方向性についても、私見を交えながら触れられた。

 ほか、教育講演や会員講演・ポスター発表をはじめ、各職種対象の実習セミナーや認定講座が開催され、より専門的な知識を深められる機会とあって、会場は参加者の熱気に包まれていた。