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2019年11月30日

日本がん口腔支持療法学会、第5回学術大会を開催

「がん口腔支持医療で大切なこと」をテーマに263名が参集

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 さる11月30日(土)、12月1日(日)の両日、国立がん研究センター(東京都)において、日本がん口腔支持療法学会第5回学術大会(上野尚雄、冨塚 健、小西哲仁大会長、曽我賢彦理事長)が「がん口腔支持医療で大切なこと」をメインテーマに開催され、263名が参集した。今回の学術大会は、関東圏のがん治療における3つのHigh Volume Centerである国立がん研究センター中央病院、国立がん研究センター東病院、がん研究会有明病院の合同開催となった。

 1日目は、一般演題口演発表8題、ランチョンセミナー1題、ポスター発表10題、シンポジウム1題が行われた。シンポジウム1「適切な介入を支える基礎研究・臨床研究」では、大会長を務めた冨塚 健氏(がん研究会有明病院歯科部長)、小西哲仁氏(国立がん研究センター東病院歯科)による座長のもと、上園保仁氏(国立がん研究センター研究所がん患者病態生理研究分野分野長)、杉本昌弘氏(東京医科大低侵襲医療開発総合センター健康増進・先制医療応用部門教授)、黒嶋伸一郎氏(長大生命医科学域口腔インプラント学分野准教授)が登壇。がん治療における抗がん剤ならびに放射線治療にともなうさまざまな口腔トラブルに対する新規治療法の開発、がんの早期発見のための唾液検査の可能性、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)に関する基礎・臨床研究など、がん口腔支持療法に関する最新知見が披露された。

 2日目は、一般演題口演発表4題、特別シンポジウム1題、ランチョンセミナー1題、ポスター発表10題、歯科衛生士ワークショップ、シンポジウム1題が行われた。特別シンポジウム「がん患者と寄り添う」では、大会長を務めた上野尚雄氏(国立がん研究センター中央病院歯科医長)による座長のもと、本間義崇氏(同病院頭頚部内科医長)、清水 研氏(同病院精神腫瘍科科長)、野澤桂子氏(同病院アピアランス支援センター長)による講演が行われた。がん治療におけるさまざまな口腔関連の有害事象に対する支援について、多数のエビデンスとともに患者さんに寄り添いながら適切な支援を行うための多職種連携のあり方などが示された。

 なお、2日目に開催された年次総会において、がん口腔支持療法やがん医科歯科連携の普及・基盤づくりに尽力された故・大田洋二郎氏(元県立静岡がんセンター歯科口腔外科部長)を同学会名誉会員とすることが承認された。

 次回の第6回学術大会は、きたる2020年12月5日(土)、6日(日)の両日、横浜において、光永幸代大会長(神奈川県立がんセンター歯科口腔外科)のもと開催予定。