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2021年2月4日

クインテッセンス出版株式会社、第2回WEBINARを開催

小濱忠一氏による「即時治療の真髄」をテーマに

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 さる2月4日(木)、小濱忠一氏(福島県開業)によるWEBINAR #2「即時治療の真髄」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演では、「Quintessence DENTAL Implantology」誌(以下、QDI)の最新号である2021年1号を底本として講演が進められた。

 小濱氏は「前歯部領域における治療のゴールは今も昔も不変であるが、治療戦略は時代に応じて変化するため、今回は最新の治療戦略を詳説する」と冒頭で述べ、まず文献と臨床の両面において抜歯即時インプラント埋入の術式が支持されることを示した。

 続いて、即時治療に際して問題になりやすい、抜歯前の感染などに起因した骨欠損形態と埋入後に発生する唇側骨とのギャップへの対応について自身の臨床例を供覧。骨移植材としては比較的吸収の遅い異種骨と他家骨の混合が有効であること、また術後の歯肉退縮はインプラントポジション、歯肉の厚み、そして上部構造の形態に大きく影響されることを説明した。

 そして、今回のテーマである即時治療は、待時治療に比べて審美的な優位性のみならず術式の単純化、治療期間の短縮や低侵襲という面で、患者からも望まれる術式であるとした。とはいえ、即時治療に抵抗を覚える臨床家も少なくないなかで、効率的に自身の臨床に即時治療を取り入れるコツとして、(1)インプラント体の選択と補綴形態、(2)7つの診断基準(詳細はQDI1号の特集記事参照)を慎重に見極めることが重要であると強調した。それに付随し、テクニック偏重の現在の潮流に警鐘を鳴らし、術前の検査・診断の力を身に付けることが何よりも大事であると聴講者に力強いメッセージを送った。

 講演後の質疑応答では、現在のインプラント周囲炎予防のためにスクリュー固定とする傾向とは対照的に、そのほとんどをセメント固定で行っている小濱氏に対して「余剰セメントを残さない手法を詳しく教えてほしい」という質問などが殺到し、予定時間をオーバーするほど多くの質問が寄せられ、盛況のうちに終了となった。

 なお、本講演は好評につき2月26日(金)20時より録画配信が決定している。興味のある方や見逃した方はこちらから受付可。