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2021年2月6日

日本歯科医学会連合、第4回大型医療研究推進フォーラムをオンラインで開催

「未来の歯科医療を見据えた革新的な研究開発に向けて」をテーマに

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 さる2月6日(土)、(一社)日本歯科医学会連合(住友雅人理事長)による第4回大型医療研究推進フォーラム(日本歯科医学会共催)が、「未来の歯科医療を見据えた革新的な研究開発に向けて」をテーマにオンラインにて開催された。

 住友雅人理事長による挨拶の後、山本照子氏(日本歯科医学会連合大型研究推進委員会委員長)の座長のもと、7名による講演が行われた。以下に演題・演者を示す。

講演1:「医療機器・ヘルスケアの未来を拓く歯科医への期待」竹上嗣郎氏(国立研究開発法人日本医療研究開発機構医療機器・ヘルスケア事業部部長)
講演2:「薬事開発・実用化を意識した歯科医療機器・材料の研究開発に向けて」谷城博幸氏(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医療機器ユニット医療機器審査第二部審査役)
講演3:「医療機器開発におけるマーケティングの重要性」宮坂 強氏(サムエルプランニング株式会社代表取締役)
講演4:「2040年を見据えた歯科の近未来イノベーション」天野敦雄氏(阪大大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学教室教授)
講演5:「世界初歯髄再生治療:基礎研究から臨床応用への軌跡」中島美砂子氏(RD歯科クリニック院長)
講演6:「我が国発、世界初の骨組成(炭酸アパタイト)骨補填材の創製」石川邦夫氏(九大大学院歯学研究院口腔機能修復学講座生体材料学分野教授)
講演7:「産学官連携による骨組成(炭酸アパタイト)骨補填材『サイトランス グラニュール』の開発」山中克之氏(株式会社ジーシー研究所予防・診断材料開発主席研究員)

 なかでも竹上氏と谷城氏は、日本医療研究開発機構(AMED)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のそれぞれの立場から、医療機器の研究開発にかかる予算の獲得、審査プロセスの法改正など、開発および実用化を促進するための現状や今後の方向性について説明。宮坂氏は、医療ニーズに即した製品の開発・事業化に関して、バーチャル・カタログを作成するためのマーケティングの役割とその重要性を強調した。石川氏は、臨床ニーズに応えた骨組成(炭酸アパタイト)骨補填材の開発経緯、山中氏はその実用化された骨補填材「サイトランス グラニュール」が産学官連携によって上市されるまでの道程を披露した。

 本フォーラムでは、医療機器・材料の開発・実用化には莫大な費用と期間が必要であり、またデバイス・ラグの解消に向けた取り組みについてもそれぞれの立場から提言がなされたが、AMED、PMDA、厚労省、経産省といった関連部署の縦割り組織に、今回のような横糸づくりのきっかけをつくる日本歯科医学会連合の存在は今後も注目すべきだろう。