2021年6月16日掲載
山田 宏事務局長より勉強会の成果が語られる
国民皆歯科健診実現議連、設立総会を開催

冒頭、古屋氏による開会挨拶では、本議連設立に至るまでの経緯が語られた。本議連は、国民皆歯科健診を実現する会の名のもと、これまでに1年以上前から計4回にわたる勉強会を開催し、歯科健診と疾病や健康寿命との関係、また医療費全体に与える影響などを中心に科学的・医学的根拠の確認をしたうえで設立に至ったことが強調された。また設立趣意書の中で氏は、現状の歯科健診の法的義務は0歳児から高校生までであり、その後は各個人の任意とされているため、骨太方針である「生涯を通じた歯科健診」にはほど遠い状況であると指摘し、「高齢社会を国民皆保険で守っていくため、いろいろな障害を乗り越えて対応していかねばならない」と実現への想いを述べた。
最後に、山田氏より勉強会成果報告が資料をもとに行われた。現状、日本人の65歳以上にかかる総医療費が全体の6割(26兆円)を占め、健康寿命の延伸と医療費の適正化が急務のなか、これまで各方面から専門家を招き、国民の健康寿命延伸と医療費削減効果のある策を検討。日本では、義務化されている歯科健診は「乳幼児歯科健診」と「学校歯科健診」のみであり、成人に対する歯科健診は普及していない。また歯周病を代表とした歯科疾患が糖尿病・認知症・早産をはじめとした数多くの全身疾患と密接に関連しており、結論として継続的な歯科健診を実施することで、国民の健康寿命を延伸し、結果的に国民医療費の適正化に資することが明らかになったと全体を総括し、「生涯を通じた歯科健診の法制化」に向けて本議連設立に至った旨を報告した。
なお、本議連の最高顧問には伊吹文明氏(衆議院議員)、安倍晋三氏(前総理大臣)、尾辻秀久氏(両院議員総会長)ら3名が就任し、それぞれ就任挨拶にて本議連への期待が語られた。