2021年7月6日掲載
認知症専門医の内田直樹氏が特別講演
S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、オンラインセミナーを開催

内田氏は、講演の中で年齢を重ねるとだれしも認知症の状態になることから、認知症を恐れて予防するためではなく認知症を受け入れたうえでの備えの大切さを強調。また、歯科医院が認知症早期発見のゲートキーパーとして重要な役割を果たすことや、認知症とより良く生きるための人や社会とのつながりの重要性など、認知症に関する基礎知識から臨床的な内容に至るまで示唆に富んだ内容を披露した。
引き続き、中尾氏(福岡県勤務)によるメンバー講演「認知症の方を支える歯科のはなし」が行われた。中尾氏は、日々の訪問診療現場における認知症患者への対応についてさまざまな事例を紹介するとともに、患者さんに寄り添いながら口をとおして人生の総仕上げにかかわることができる歯科の役割をアピールした。
講演後は内田氏を交えながら参加者とのディスカッションが行われ、認知症の方とその方の人生に興味をもつことで会話が生まれることや、治療だけでなく人間としての尊厳を守ることの大切さなどが提言され、終始盛り上がりをみせた。