Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2022年3月13日

2021年度MID-G総会、Web配信にて開催

元大阪府知事の橋下 徹氏を招聘し、「歯科のミライの創り方」が語られる

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる3月13日(日)、Doctorbook academyにて2021年度MID-G総会(和田匡史代表理事)がWeb配信された。理事の1人である立浪康晴氏(富山県開業)の司会のもと、まず本会でも最注目の演者である元大阪府知事・元大阪市長の橋下 徹氏(弁護士、政治評論家兼タレント)が「歯科維新~歯科のミライの創り方~」のタイトルで講演した。


 橋下氏は“purpose(目的)”をキーワードに講演を展開し、歯科医院の経営だけでなく、事業や行政も目的を明確に定めることで仕事の効率ややりがいが大きく変化すると述べた。現在、世界が注視しているウクライナ侵攻も例に出しながら、戦時下では「戦う目的」、企業では「働く目的」が何であるかリーダーは示さなくてはならないと説いた。続いて、「世間が1つの方向を見ているときに、『こんな考え方もありますよ』という別の視点を提供することが自身の役割だと考えている」と述べ、今のSNSの時代には多くの批判にも晒されようが、自分のpurposeがはっきりしているから批判されればされるほど目的が達成できていると実感し、まったく気にならないと豪語した。講演の最後には、現在の日本が抱える医療財政逼迫の問題にふれ、医院経営や目の前の患者さんを治療することももちろん重要だが、歯科の付加価値を高めるために、自身の医院のpurposeを明確にすることが大切だと結んだ。

 その後は、橋下氏と現執行部の和田氏(徳島県開業)、立浪氏、栗林研治氏(東京都開業)、武知幸久氏(京都府開業)らがディスカッションを繰り広げた。ここでは、現代の歯科界が抱える課題を橋下氏にぶつけ、興味深い助言を引き出していた。たとえば、地方の活性化や少子化対策、歯科界のデジタル化などについては、自身が政治家を引退してから口腔内環境を整えたことにより劇的に健康になった実感をともなって「健康の源は歯である」というメッセージをもっとパブリシティすることや、地方議員や国会議員と協力して行政を動かすアドバイスなどを送った。加えて、今後の流れの中では歯科界も企業のM&Aのように医院の統廃合は避けられず、自身の弁護士業界と同様に集約化が進むのではないかと大胆な予想を披露した。

 MID-Gコース受講生の表彰式や新理事発表(新代表理事は栗林氏)、歯科医院のコミュニケーション円滑ツール「MID-Gアプリ」が紹介された後、午後のプログラムとして「大同団結! ~臨床のリーダーたちが考える学術・教育・経営のバランス~」と題する講演兼ディスカッションが行われた。モデレーターをMID-G最高顧問の荒井昌海氏(東京都・神奈川県開業)が務め、日本臨床歯科学会から内山徹哉氏(東京都開業)、JIADSから奥田裕太氏(大阪府開業)、PHIJから築山鉄平氏(福岡県開業)、5-D Japanより片山明彦氏(東京都・千葉県開業)を集め、動画を利用した臨床レベルの向上や各医院における院内コミュニケーションの方法、またMID-Gの賛助会員(企業)に向けて、経営ツールとして開発してほしいサービスなどのリクエストもあり、盛り上がりを見せた。

 最後には再び荒井氏が登壇し、レベルの高い一般臨床医(GP)の育成を会の柱の1つとしているMID-Gの最高顧問として、「広く、そしてなるべく深く臨床を学び、教育と経営においても熱意をもって取り組むことで総合力のあるGPになれる」と総括を述べて2021年度の総会を締めくくった。