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2022年4月10日

子どもの咬合を考える会、第25回特別講演会を開催

「不正咬合は予防できる!! 子どもの口腔発達の背景を考える」をテーマに

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 さる4月10日(日)、子どもの咬合を考える会 第25回特別講演会(三村善郎会長、西田尚人大会長)が、京都テルサ テルサホール(京都府)とWeb配信のハイブリッド形式にて開催された。「子どもの咬合を考える会」は、子どもの咬合や歯列に異常をきたす原因を知り、できるかぎり早期に適切な対応を行うことにより、子どもの健全な咬合育成を促すことを目的に、咬合育成に関する学習・研鑽を行うスタディグループである。今回の特別講演会は、「不正咬合は予防できる!! 子どもの口腔発達の背景を考える」をテーマに、講師として元開富士雄氏(神奈川県開業)を招聘し、行われた。

 総合司会の小石 剛氏(大阪府開業)の開会宣言、本特別講演会の大会長である西田氏(大阪府開業)の開会の辞に続いて元開氏が登壇し、講演が開始された。

 元開氏はまず、過去から現在までの発達理論、研究を取り上げながら、口腔機能発達を理解するための「発達」の基本的な知識を解説。これまでは発達の普遍的なメカニズムの探求が行われてきたが、それが知れたいま、平均化され、多数に適応可能な発達評価から、個人の特性や能力、行動パターンなど、個別的要素に着目し、患者を診ていくべきだとした。
続いて、身体運動としての口腔機能のメカニズムと特性、体幹や姿勢の発達プロセスと口腔機能との関連性、摂食機能発達のプロセスと離乳の問題点などについて解説。また、最後に子どもの口腔機能の発達を決定する因子の1つとして子どもの気質を挙げ、個々の子どもの気質をみながら対応していくことの重要性を述べた。

 講演終了後は、中村睦子氏(兵庫県開業)の座長のもと、元開氏、三村氏、小佐々 康氏(京都府勤務)が登壇してシンポジウム「子どもの口腔発達の背景を考える Q&A」が行われ、講演を受けて三村氏、小佐々氏から元開氏にさまざまな質問が投げかけられた。シンポジウムでは、次回の第26回特別講演会で講師として招聘される予定の丸茂義二氏(日歯大名誉教授)からの発言もあり、次回への期待が高まった。

 その他にも、昼休みには会員の田中千晶氏(大阪府開業)と齊藤教子氏(福井県勤務)によるポスター発表が、それぞれ「前歯部叢生の治療に3Dシステムを用いた症例」「混合歯列期に3Dシステムを活用した症例」と題して行われた。

 すべてのプログラム終了後、元開氏への感謝状の授与が行われ、続いての三村氏の閉会の辞、小石氏の閉会宣言をもって、成功裡に閉会となった。