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2022年4月24日

株式会社プロシード、オンラインシンポジウムを開催

「ケーススタディーⅡ級Ⅰ類症例 思索に耽る」をテーマに

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 さる4月24日(日)、オンラインシンポジウム「ケーススタディーⅡ級I類症例 思索に耽る」(株式会社プロシード主催)が開催され、約160名が視聴した。

 まず座長の大谷淳二氏(愛媛県開業)から、本シンポジウムの企画意図が説明された。矯正歯科治療ではさまざまなツールが存在するが、最初にツールありきではなく、患者をよく診断・分析し、どのような治療方法が考えられ、最善であるかについてさまざまな思索(論理的に筋道を立てて考える)を巡らせたうえで最適なツールと治療方法が選択されるべきであり、そのためにこのタイトルを冠した旨が説明された。

 そのうえで矯正歯科においてもっとも多く手掛けられているであろうⅡ級1類不正咬合について、大谷氏が例示・条件づけを行った1つの共通症例を4つの研究会に所属する各演者(日本Tweed矯正歯科研究会:小海暁氏、埼玉県開業/Bioprogressive Study Club:根津崇氏、神奈川県勤務/Alexander Discipline International Study Club of JAPAN:浅井麦氏、岐阜県勤務/Level Anchorage System:西岡真人氏、福岡県開業)の立場から診断するという意欲的な試みがなされた。
 
 各演者は、所属研究会の基本的な治療方針の概説と、その治療方針に基づいた共通症例の診断・分析、治療計画の立案を解説したあと、類似症例として自身のⅡ級1類症例を数例提示しながら、実際の治療ではどのように診断・分析していくか、治療上で何に着目するか、どんなメカニクスやツールを用いて治療していくか、そして治療結果について詳解した。

 診断・分析方法、抜歯箇所や治療に用いるツールなどがそれぞれ異なるなか、下顎歯軸のあり方や咬合平面などの問題は共通して注目されるポイントであったようで、質疑応答でも下顎前歯はどれだけ唇側へ傾斜可能か、前歯部の位置の変化はどの程度を考えるかといった質問と議論がなされた。
また絶対固定としての歯科矯正用アンカースクリューの用途や上顎第一大臼歯の圧下コントロールについても議論や情報の共有がなされ、5時間にわたるシンポジウムは盛会裡に終了した。