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2022年6月26日

日本成人矯正歯科学会、第30回記念大会および第3回国際大会を開催

「最先端の各種矯正歯科治療について」をテーマに

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 さる6月26日(日)、ハリウッド大学院大学講堂(東京都)とWeb配信のハイブリッド形式にて、日本成人矯正歯科学会第30回記念大会(佐藤元彦大会長、村井 茂理事長)が、「最先端の各種矯正歯科治療について」をテーマに開催された。あわせて、第3回国際大会もWeb配信にて開催された。

 本会は佐藤元彦大会長(東京都開業)、村井 茂理事長(北海道開業)の開会の挨拶から始まり、特別講演、教育講演、依頼講演、テーブルディスカッション、ランチョンセミナー、スポンサードセミナー、シンポジウム、一般口演、症例展示・ポスター発表、企業展示など、多くの企画が行われた。

 特別講演1「私の顔面顎矯正外科45年(1977~2022年)の現況」では、鶴木 隆氏(東京都開業)が登壇した。鶴木氏は東歯大口腔外科に20年勤務後、本邦初となる顔面顎矯正外科に特化したクリニックを開業し、数多くの症例を手掛けてきた。その経験から、「鶴木式」といわれる顎形成術の特長および診察の要点について症例を交えながら解説した。

 また教育講演1「矯正臨床に役立つボンディングの基本的知識」では、飯嶋雅弘氏(北海道医療大歯学部)が登壇。ブラケット接着の基礎、セルフエッチングプライマー(SEP)接着システム、ディボンディング、接着材料のう蝕予防効果、固定式保定装置の接着の5項目について、それぞれ論文を引用しながら、現状における結論を解説した。

 シンポジウム「マウスピース型矯正装置について~現状と未来~」では、有本博英氏(兵庫県開業)、小畑 真氏(弁護士・歯科医師)、後藤 励氏(医師・慶應大大学院経営管理研究科教授)が登壇した。他所で多く行われている臨床テクニックに関する講演とは一味異なるセッションとして企画された本シンポジウムでは、デジタルシフトの一環としてのアライナー矯正歯科について有本氏が、アライナー矯正治療で生じうる法的トラブルの特徴と防止策について小畑氏が、また医療に使われる公金や医療サービスを経済学の視点から研究する立場から見る歯科とアライナー矯正治療について後藤氏が講演した。アライナー矯正歯科と矯正歯科医の社会的意義や責務を顕在化させ考えるための重要な機会となった。

 そのほか、依頼講演2「歯科技工士の未来! 再発見!」では、千葉県歯科医師会前会長の砂川 稔氏(千葉県開業)が、昨今の歯科技工士減少についての厚生労働省による検討内容について解説。また、教育講演2「歯周病専門医から矯正治療を担当される歯科衛生士さんへのメッセージ“『基礎』と『臨床』がつながる歯周組織の解剖学”」では、牧草一人氏(京都府開業)が、歯科矯正に携わる歯科衛生士に対し、解剖学の視点から注意すべき歯周組織やSRPの勘所などについて解説。来場した多くの人に有益な情報が提供され、盛会のうちに閉会した。