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2022年7月9日

桑田正博先生と歩む会が開催される

2021年7月に逝去された桑田氏を偲び、180名あまりが参集

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 さる7月9日(土)、帝国ホテル東京(東京都)において、桑田正博先生と歩む会(Kuwata Institute Millennium〔以下、K.I.M.〕主催、吉永 修会長)が開催された。メタルセラミックスの開発をはじめ、エマージェンスプロファイルの提唱、そして咬合理論F.D.O.(Functionally Discluded Occlusion)の普及など、押しも押されもせぬ歯科界の巨人として世界的に活躍してきた歯科技工士の桑田正博氏(1936-2021、クワタカレッジ校長、愛歯技工専門学校校長、ボストン大客員教授ほか)が2021年7月に急逝されて以降、桑田氏を偲ぶ大規模な催しはコロナ禍の影響から行われてこなかったが、主催のK.I.M.をはじめとする多数の関係者の努力によりこのたび実現した。会場には全国各地から180名あまりが参集し、それぞれの立場から桑田氏を偲んだ。

 冒頭、会場では黙祷が捧げられた後、吉永氏が挨拶に立ち、あまりにも急な別れとなったことに対する驚き、悲しみをはじめ、桑田氏が残した膨大な資料の確保や世界各国に散らばる関係者への連絡を通じてその影響の大きさを再認識した旨などについて述べた。その後、小林隆太郎氏(日歯大口腔外科教授、日歯大東京短期大学長)が登壇。令和7年に神楽坂(東京都新宿区)に日本歯科大学東京短期大学の新校舎が建設されるのにともない、桑田氏の足跡について保存・展示する「桑田記念館」が併設されることを発表した。すでに設計が進められているとのことで、新校舎の1階ロビー内に設けられる予定とのこと。小林氏によれば、サロンのような雰囲気で、関係者がいつでも集まれる場所をめざすとのことであった。

 その後、桑田氏の功績を振り返るスライド上映や、Dr. Ronald GoldsteinおよびDr. Roy Yanase(いずれも米国開業)からのビデオメッセージの上映が順次行われた後、桑田氏の子息の啓一郎氏が登壇。今回、来場がかなわなかった桑田氏の妻・弘子氏からの感謝のメッセージを代読すると、来場者らはあらためて桑田氏の在りし日の面影に思いを馳せていた。

 上述の記念館の設立をはじめ、K.I.M.によるセミナーの開催などを通じてこれからも続く桑田氏の知識と技術の伝承に期待がかかる。