2023年1月22日掲載

井上 亮氏が「MFTの臨床的意義」をテーマに講演

大阪大学歯学部同窓会、第559回臨床談話会を開催

大阪大学歯学部同窓会、第559回臨床談話会を開催
 さる1月22日(日)、大阪大学歯学部同窓会(谷口 学会長)による第559回臨床談話会が、大阪大学歯学部記念会館(大阪府)およびWeb配信にて開催された。今回は講師に井上 亮氏(大阪府開業)を迎え、「MFTの臨床的意義―成長への関わりと矯正および顎関節症の治療において―」をテーマに講演が行われた。

 まず井上氏はMFTを解説するにあたり、咀嚼嚥下、生活習慣、姿勢、態癖などが口腔機能や形態に及ぼす影響などを解説した。また、下顎位が悪ければ、呼吸、咀嚼、嚥下、姿勢に影響することから良い歯列・咬合を考えるうえでは、下顎位へのアプローチも重要であるとした。さらに、小児の形態的変化を伴うほとんどの不正咬合に対しては、MFTのみによる改善は期待できないため、口腔機能と顎顔面形態の双方への介入の必要があるとも述べた。

 最後にはMFTの臨床的意義として、「障害因子の除去で矯正や顎関節症の治療をスムーズにすること」「矯正治療において軟組織の審美性改善」「OSASの予防と治療の手助け」「患者さんと家族に気づきを与えて、生活習慣の改善と再発を防止すること」の4つを挙げた。

 質疑応答では、現地、Webの両方で多数の質問が上がり、この分野における興味関心の高さがうかがえる講演となった。

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