2023年2月26日掲載

「根管治療40年の変遷」と題し、井澤常泰氏による特別講演が行われる

株式会社Toppy、第21回歯内療法症例検討会を開催

株式会社Toppy、第21回歯内療法症例検討会を開催
 さる2月26日(日)、第21回歯内療法症例検討会(株式会社Toppy主催)が、Web配信にて開催された。本会は、吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、歯内療法症例をさまざまな角度からディスカッションして日常臨床のヒントを得ること、また治療へのモチベーションを維持することを主目的に開催されているもの。今回は、症例発表8題と特別講演が行われた。症例発表の演題・演者を以下に提示する。

「Regenerative endodontic Therapy」木村俊介氏(医歯大)
「下顎第一大臼歯の遠心根に水平性歯根破折を認めた症例」糸永和広氏(神歯大)
「Is it type-Ⅲ endodontic-periodontal lesion?」永原隆吉氏(日本鋼管福山病院)
「External Cervical Resorptionを認めた2症例」野間俊宏氏(フリーランス)
「広範な歯性上顎洞炎を認めた3症例」村上拓也氏(滋賀県開業)
「外科的歯内治療~側枝への対応~」片山卓也氏(昭和大)
「through & through病変に対し外科的歯内療法で対応した1症例」渥美克幸氏(埼玉県開業)
「A case of Apicoectomy after Radical Surgery of Empyema」中山大蔵氏(石川県開業)

 次に、「根管治療40年の変遷」と題し、井澤常泰氏(東京都開業)による特別講演が行われ、根管治療における「作業長の決定」「拡大視野」「外科治療」などの変遷について語られた。なかでも氏は、マイクロスコープが用いられたことにより拡大視野が得られたことで、根管治療は大きく進歩したと話した。1990年代後半の米国ではマイクロスコープが臨床に広く使用されるようになり、氏は本邦でその普及活動を行ったが、そのころはインプラントが流行していたこともあり広まらなかったが、その後、保険診療報酬に顕微鏡加算が追加されたこともあり、現在では多く使用されるようになったと述べた。ただし、昨今では半導体不足などの問題もあるため、マイクロスコープが購入しづらくなる可能性があることを示唆した。

 歯内療法の現在までの変遷を知ることができ、また臨床の基本や日々の悩みを率直にディスカッションできる本会は、特に若手歯科医師にとっては格好の勉強の場であると思われた。

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