トピックス 2009年3月5日掲載 承認申請や審査迅速化を望む声、あいつぐ <font color='green'><b>第5回医歯大シンポジウム開催</b></font> 後で読む さる3月5日(木)、東京医科歯科大学(大山喬史学長)にて第5回歯科器材・薬剤開発センターシンポジウム(医歯大歯科器材・薬剤開発センター主催)が「『歯科器材の開発・改良における薬事申請・審査の諸問題―医療機器の審査迅速化アクションプログラム』を達成するための、歯科器材の課題―」をテーマに開催された。以下に演題および演者を示す。 ・「医療機器の審査迅速化アクションプログラムについて」(俵木登美子氏、厚労省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室室長) ・「医薬品の側から見た、歯科器材の申請・審査」(土屋文人氏、医歯大歯科器材・薬剤開発副センター長) ・「歯科器材と大学院GP」(田上順次氏、医歯大歯科器材・薬剤開発センター長) ・「歯科器材の現状・課題・期待について〜事前アンケートから〜」(園田秀一氏、医歯大歯科器材・薬剤開発副センター長) その後のディスカッションでは、参加者とシンポジストの積極的な意見交換が行われ、参加者の春日井昇平氏(医歯大大学院インプラント・口腔再生医学教授)は、日本におけるインプラントの承認の長期化問題について言及。「EUでは製造承認がとれ、既存の材料ならば短期間で販売は可能。ただし、販売後は追跡調査を行うシステムになっている。日本もEU同様のシステムを導入すれば市場が活性化するのではないか」と制度の改善を訴えた。 それに対して俵木氏は、「日本は安全性の確保に対する期待度が大きいため、越えなければならないハードルである」と説明しつつも、「制度自体を変えることは困難であるため、審査の迅速化などで対応しなければならない」とした。そのほか、会場からは歯科医療機器の開発推進や早期臨床導入のためには、「ISO基準の整合化」「申請書類の簡素化」など、承認申請や審査の迅速化を望む声が多く聞かれた。 最後に田上氏は、15万点以上にも及ぶ歯科医療機器の特殊性を挙げ、「まず臨床導入した後に業界を挙げて調査を行うような対応が、現在の解決策であろう」と総括した。