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2009年11月30日

「ボストン大学補綴学 蒲池史郎、蒲池久美子講演会2009 インプラント補綴を考える―予知性の高い治療のためのキーコンセプト―」開催

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 さる11月30日(月)、血脇記念ホール(東京都)において、「ボストン大学補綴学 蒲池史郎、蒲池久美子講演会2009 インプラント補綴を考える―予知性の高い治療のためのキーコンセプト―」が開催された(東歯大水道橋病院総合歯科〔柿沢 卓病院長〕、歯周病勉強会〔二階堂雅彦代表〕主催)。本会は、米国・ボストンで補綴専門の歯科医院を開業するかたわら、いずれもボストン大学で歯学部臨床准教授を務める蒲池夫妻を招聘し、インプラント補綴の予知性、なかでも審美的な予後を確実にするための考慮事項について学習する目的で開催されたもの。

 会場ではまず、二階堂氏より演者紹介が行われた後、夫妻によるリレー講演が開始された。術前に必要な情報収集の要点にはじまり、インプラント支持による補綴装置の選択(単冠修復・ボーンアンカードブリッジ・インプラントオーバーデンチャー)や欠損の範囲に応じて考えられるインプラント体の位置・本数、そして埋入~負荷のタイミングなどについて概観したうえで、症例が多数供覧された。症例は条件のシビアな上顎中切歯1歯欠損症例が主であり、そこでの硬・軟組織欠損への対処法(積極的に硬・軟組織の増生を行うか、あるいは歯肉色陶材を応用するかの選択)やプロビジョナルレストレーションの重要性などについて詳説された。

 席上、蒲池夫妻はとくに患者による訴訟が生じやすい米国でインプラント補綴を行う立場から「患者の高すぎる期待には注意すること」「患者とスタッフが完全に同じゴールを向いているかどうかに注意しなければならない」「そして、ケースセレクションが最重要(期待どおりの成果が得られないと感じたら着手しないこと)」の3点を強調。個々の手技を確実にマスターすることの重要性はもちろんであるが、目先の利益にとらわれず、術者のスキルに応じて確実な治療を行うことの重要性を訴えた。