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2010年4月24日

第19回日本有病者歯科医療学会総会盛大に開催

歯科・医科連携のいっそうの重要性が示される

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 さる4月24日(土)、25日(日)の両日、神戸市勤労会館(兵庫県)において、「第19回日本有病者歯科医療学会総会」(田中義弘総会長、白川正順理事長)が、「歯は健康の元、歯周病は万病のもと」のテーマのもと、多くの参加者を集めて盛大に開催された。

 2日間にわたって、特別講演、シンポジウム「歯周医学最前線-これまでに何がわかったか-」、教育講演、学術教育研修会、コメディカルセッション3題、ミニシンポジウム「抗血栓療法」・「ビスフォスフォネート製剤」、一般セッション67題、ランチョンセミナーと、2つの講演会会場に分かれて多くのセッションが催された。

 とくに注目をあつめたのは、シンポジウム「歯周医学最前線-これまで何がわかったか-」。座長である西村英紀氏(広大大学院教授)は「歯周病が糖尿病の合併症としてでなく、その危険因子と考えられるようになった背景」、齋藤俊行氏(長崎大大学院教授)は「肥満・メタボリックシンドロームと歯周病、相互関連性について」、山崎和久氏(新潟大大学院教授)は、「冠動脈疾患リスク因子としての歯周疾患を考察する」と題して、歯周病と全身の健康の関係について、それぞれの研究分野の最新知見の解説を行った。また、この歯周病と全身の健康との関係については、まだまだ医療関係者および国民の理解は低いとしたうえで、まずは医科にどのようにアピールし、連携を図っていくかが当面の大きな課題とした。

 特別講演では、福岡伸一氏(青山学院大理工学部教授)が、分子生物学者の立場から「生命を解くキーワード、それは"動的平衡"」と題して講演。多くの著作をもち、執筆活動でも話題である氏の生命に関する興味深い洞察に会場が沸いた。教育講演「摂食・嚥下障害の評価と訓練の実際」(戸原 玄氏、日大歯学部准教授)では、内視鏡を用いた検査を行った摂食・嚥下障害の症例がわかりやすく示された。超高齢社会においては、歯科医師、医師、そして医療関係職種のチームアプローチが不可欠であり、そのうえで個々の患者の環境を考えた対応が重要と力説された。