Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2010年4月29日

「2010年代における明るい歯科医院構築」をテーマに講演会が開催される

木原敏裕氏らが若手に歯科医師としての指針を示す

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる4月29日(木)、福岡国際会議場(福岡県)において、「2010年代における明るい歯科医院構築-それぞれの年代で考える Anti Aging Dentistryとは」をテーマとした講演会(木原敏裕Director)が、150名以上の参加者を集めて盛大に開催された。

 本講演会はDirectorを務めた木原敏裕氏(奈良県開業)のもと、インプラントや審美補綴のオプションが確立し、患者ニーズが複雑化した現在、それらを使いながら歯科医療を与える側と受ける側の双方が真に満足できるにはどうあるべきかを整理したもので、30代、40代、50代の演者がそれぞれの立場から提言を行うという画期的な試みであった。聴衆の多くは若手歯科医師であり、一言も聞き逃すまいと真剣に聴講していた。

 講演では、木原氏が「現在の歯科医療で考えるべきこと」として、30年前と現在の歯科界の現状を踏まえたうえで、大学教育の問題、卒後教育の問題、保険制度の問題、歯科の経済状況、日本経済の問題、世界経済の問題の6分野より、歯科の現状を分析。保険診療の限界や歯科医として今するべきことは何かを示したうえで、「歯科医療とは噛めるようにする・見栄えをよくするというような単純なものではなく、今こそ疾病の医療から健康づくりの医療へと転換し、患者さんの豊かな人生、QOLの充実を目指すものであるべき」とした。

 この基調講演を踏まえたうえで、「30代で習得すべき技術とは」(飯田啓介氏、愛知県開業)、「40代で習得すべき診断とは」(藤本 博氏、熊本県開業)、「50代で考えるべきこととは」(松下至宏氏、愛知県開業)の順で講演が行われた。30代で技術を磨き、40代で的確な診断法を身につけ、50代で円熟期に入るという流れのなかで、質量ともに豊富な治療オプションを身につけたうえで患者のQOLに貢献する歯科医療の重要性が、各世代の視点から解説された。これにより、年代ごとに何をすべきか理解でき有意義だったとの声が会場の多くの参加者から聞かれた。

 その後、歯科技工士の立場から川内大輔氏(熊本県歯科技工所開業)が講演を行った後、木原氏がまとめとして「これからの歯科医療に必要なもの」と題して講演。多くの症例写真とともにわかりやすく聴衆に語りかけるように講演がなされ、「歯科医は"歯"を売るのではなく、将来に対する"安心"を提供しなければならない」とまとめ、会場が沸いた。その後、ディスカッションが行われ、今後の歯科界に大きな指針を示した講演会は閉会した。