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2010年6月26日

日本臨床歯周病学会第28回年次大会が盛大に開催

「インターディシプリナリー・アプローチにおける歯周治療の役割」をテーマに

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 さる6月26日(土)、27日(日)の両日、国立京都国際会館(京都府)において、特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会第28回年次大会(福西一浩大会長、谷口威夫理事長)が「インターディシプリナリー・アプローチにおける歯周治療の役割」をテーマに開催され、約1,800名が参加し盛会となった。

 大会初日は、谷口理事長、福西大会長による挨拶後、各支部の代表らによるケースプレゼンテーションが行われた。つづく特別講演では、小野善弘氏(貴和会顧問)が「Interdisciplinary therapyを実践した25年の臨床を振り返って」と題して講演。歯科医師の使命は患者の生涯における歯列の確保であり、患者の期待に応えるためには歯周治療、補綴治療、矯正治療、インプラント治療など多くの治療オプションの獲得や、補綴医・矯正医との連携が重要であると述べた。

 その後、Interdisciplinary Session1として、米国より招聘したDr.Kevin Murphy(米国開業)、水上哲也氏(福岡県開業)、奥田裕司氏(大阪府開業)の3氏がそれぞれ講演。なかでも水上氏は、中等度から重度歯周炎の患者に対するインプラント治療を症例とともに提示し、インプラントの適応はあくまで残存天然歯の延命・保存のためであるべきと強調した。

 大会2日目のInterdisciplinary Session2では、Dr.Murphy、村上伸也氏(阪大教授)、安藤 修氏(東京都開業)がそれぞれ講演し、再生療法について現在の考え方から最先端の話題までを紹介。なかでも村上氏は、現在治験が進められ、歯周組織再生療法の分野で臨床応用が期待されている塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)が2012年には製品化される見込みであることを報告し会場が沸いた。

 大会最後のInterdisciplinary Session3では、Dr.Murphyが外科処置を併用した急速矯正処置として注目されているPAOO(periodontally accelerated osteogenic orthodontics)について、その術式の実際や適応基準を解説した。

 また、歯科医師セッションと並行して開催されたコ・デンタルスタッフセッションも盛況で、認定歯科衛生士教育講演やケースプレゼンテーション、シンポジウム、特別講演など多数のプログラムが行われ、多くの歯科衛生士で賑わった。なかでもシンポジウムでは、実際にインターディシプリナリーを実践している南昌宏氏(大阪府開業)、貴島佐和子氏(南歯科医院)、西村好美氏(大阪府歯科技工所開業)の3氏が歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の立場からチームアプローチの重要性について述べた。また、山本浩正氏(大阪府開業)による「サクセスフル・メインテナンス」と題した特別講演では、中断をさせないメインテナンスのための患者へのアプローチ法について解説がなされた。

 「食と健康」をテーマに開催された市民フォーラム(無料)では、松井徳雄氏(東京都開業)、料理家の陳 建一氏がそれぞれ講演し好評を博した。