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2010年9月27日

第69回日本矯正歯科学会大会、盛大に開催

「温故知新~原点に学び新たな展開へ~」をテーマに

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 さる9月27日(月)から29日(水)までの3日間、パシフィコ横浜(神奈川県)において、第69回日本矯正歯科学会大会(佐藤貞雄大会長、後藤滋巳理事長)が、「温故知新~原点に学び新たな展開へ~」をテーマに盛大に開催された。

 初日に行われた生涯研修セミナーは、近藤悦子氏(東京都開業)による「頭頸部の機能と矯正治療」と題した講演が行われ、矯正治療の要が、舌、口腔周囲筋、咀嚼筋および頸部筋活動の健全化と鼻呼吸の確立であることを自身の長期症例を基に示した。

 2日目の基調講演では、佐藤大会長による「不正咬合を再考する」と題した講演が行われ、不正咬合の治療は歯列・咬合などの前後的なアプローチではなく、咬合高径、咬合平面などの垂直的アプローチにあることを示唆した。

 そのほか、「特別講演1:脊椎動物の初期進化と顎顔面発生―進化発生学的視点から―(倉谷 滋氏、理化学研究所)」、「教育講演:エネルギー生成系で知れる―歯科疾患、発癌、老化―(安保 徹氏、新潟大教授)」、「招待講演:噛むチカラで脳を守る~認知症予防をめざして~(小野塚實氏、神歯大教授)」など、従来の矯正学にとどまらない幅広い演題も組まれ、参加者を魅了した。

 一方で、「特別講演2:New Perspectives in Class2 Treatment(Dr. Timothy T. Wheeler、フロリダ大)」、「シンポジウム1:WHO DOES YOUR THINKING? YOU - OR YOUR APPLIANCE?(Dr. Thomas F. Mulligan、米国開業)/The mechanical background of binding in diff erent phases of comprehensive therapy(Dr. Hans-Peter Bantleon、ビエナ大教授)/矯正臨床に役立つ歯の移動のバイオメカニクス―治療の効率化を目指して―(吉田教明氏、長崎大教授)」など、国内外の著名な矯正医による専門的な講演も盛況であった。さらに、今回の本会は「第3回日韓ジョイントミーティング」も行われ、各多くの演題が組まれて、日韓間の親睦、情報交換が図られていた。

 スタッフ&ドクターセミナーでは、「安全な医療を提供するためのグッドコミュニケーション~安心安全な医療を提供するために~」(木尾哲朗氏、九歯大准教授)と題して、医療者間、および医療者-患者間での円滑なコミュニケーション法を、ユニークなワークショップ形式で解説し、会場は多くの歯科医師・歯科衛生士で賑わった。

 また、「学術展示」、「症例展示」、「認定医新規申請者症例展示」、「専門医更新用症例展示」、「専門医新規申請症例展示」、などの展示コーナーでも、昨年と同様に数多くの症例発表が行われ、本学会の本会に対する意気込み、また専門医育成に対する熱意が強く感じられるものであった。