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2008年8月9日

口腔医科学会 第9回医療安全シンポジウム

「口腔医療の過去・現在・そして未来」をテーマに充実の内容が展開

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 さる8月9日(土)、テレコムセンター(東京都)にて、口腔医科学会(星野清興理事長、山本成允大会長)第9回医療安全シンポジウムが、約100名の参加者を集め開催された。
 午前はまず7名の演者が登壇し、広範なテーマのもと一般口演が行われた。続いて、金 鴻基氏(韓国国際インプラント学士会会長)が招待講演を展開。メンブレンを用いずに硫酸カルシウム由来の材料を活用した骨造成法の特長を解説するとともに、自身が行っている抜歯後即時インプラント埋入症例を供覧した。
 午後は、野原 通氏(横浜南共済病院歯科口腔外科部長)が歯科外来診療環境体制加算について解説を行った。続いて、高橋常男氏(神歯大教授)が更新講座に登壇し、上顎洞とその周囲の解剖学的仕組みについて、頬骨歯槽稜の稜頂を結んだ線の解剖学的意義などに触れながら詳説した。再び野原氏が登壇し、歯科における抗菌薬の現状と使用法について解説した。また、榎本昭二氏(医歯大名誉教授)が口唇疱疹、帯状疱疹、天疱瘡、口腔乾燥症、シェーグレーン病などの口腔病変と全身疾患のとの関わりについて言及。さらに、ビスホスホネート系薬剤と顎骨壊死について解説した。
 危機管理対策講座では、藤谷 登氏(千葉科学大教授)が、インシデント、アクシデント、院内感染の予防策や、全身疾患と歯科領域の関わりについて述べた。
 本会の最後は「高度先進医療と危機管理について」と題したパネルディスカッションが行われ、藤谷氏、新井嘉則氏(日大歯学部特任教授)が登壇。CT画像診断の正しい活用法、今後期待される医科と歯科相互の診査・診断の連携などについて、議論が交わされた。
 また当日は、別会場にて認定資格研修講座が併催され、講義のほか救急救命蘇生の実習が行われるなど、歯科の医療安全に対する本会の充実した取り組みがうかがえる一日となった。