トピックス 2008年8月3日掲載 終刊記念にふさわしく、内容も多岐にわたる <b><font color='green'>『歯科臨床研究』終刊記念特別講演会開催</font></b> 後で読む さる8月3日(日)、日歯大九段ホール(東京都)にて、『歯科臨床研究』終刊記念特別講演会(『歯科臨床研究』編集委員会主催、クインテッセンス出版株式会社後援)が開催された。 『歯科臨床研究』は、研究者と臨床家が共有できる臨床雑誌を目指して平成15年に創刊され、5年間で10巻を発行。本講演会は、同誌が終刊を迎えるにあたり、明日の臨床に役立つ密度の濃い講演会として企画されたもの。 冒頭、同誌の編集顧問である中原 泉氏(日歯大学長)が、このたびの終刊にあたり挨拶した。氏は、「内容に関しては、歯科界に一石を投じた自負を持っている。活字が衰退する時代といわれているなかで、その影響も少なからず受けたのかもしれない。今後、このような活動が別なかたちで取り組まれるのであれば、歯科界の活性化につながるのでないかと考えている」と、今後の同人雑誌に期待を寄せた。引き続き、会場では各分野に造詣の深い12名の編集委員による講演が披露された。 以下に演題を示す。 ・ 中原 泉(日歯大学長)「萌出のグローバル現象―第一位萌出永久歯の国際比較―」 ・ 葛西一貴(日大松戸歯学部教授)「歯列拡大の基本原則を考える」 ・ 桃井保子(鶴見大教授)「う蝕の治療―いまわかっていること、できること―」 ・ 岩久正明(日歯大客員教授)「う蝕治療における混合抗菌剤の有効性」 ・ 加藤 熈(北大名誉教授)「歯周病患者の局所矯正治療(MTM)」 ・ 高木裕三(医歯大教授)「子どもの歯の外傷―治療法の再評価―」 ・ 佐々木啓一(東北大教授)「補綴臨床と力:バイオメカニカル・インターフェイス」 ・ 覚道健治(大歯大教授)「開口障害の新しい概念:咀嚼筋腱・腱膜過形成症」 ・ 小宮山彌太郎(東京都開業)「インプラント療法から学んだこと」 ・ 森戸光彦(鶴見大教授)「超高齢社会とOral Health Care Service」 ・ 井出吉信(東歯大教授)「『摂食・嚥下』知っておきたい解剖学」 ・ 住友雅人(日歯大教授)「歯科における伝達麻酔の意義と実際―極めつけのテクニック―」 演者に与えられた時間はおよそ25分と限られていたが、ポイントを絞った講演内容に参加者の熱心に聞き入る様子が印象的であった。終刊記念にふさわしく演題も多岐にわたり、たいへん示唆に富んだ内容となった。