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2026年7月号掲載

(特非)日本歯周病学会の 「顔」

※本記事は、「新聞クイント 2026年7月号」より抜粋して掲載。

「継承」と「改革」の理念のもと、会員が安心して活動できる環境を整備したい

歯周病対策は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に記載されるほど、国民の健康寿命の延伸に欠かせないテーマとなっている。(特非)日本歯周病学会の第26代理事長を務める吉成伸夫氏(松本歯科大学歯科保存学講座教授)は、基本理念に「継承」と「改革」を掲げ、時代の変化を見据えた学会運営と改革に挑む。本欄では、歴史ある学会として果たすべき役割と今後のビジョンについてうかがった。

吉成:日本歯周病学会(以下、当学会)の第69回春季学術大会が成功裏に終幕しました。11年前に私が大会長を務めた会場には、多数の会員をはじめ米国や韓国など海外からも多くの参加者に来場していただきました。この活気ある交流をつうじて、学会が抱える課題や未来へのビジョンを共有できたことをとてもうれしく思います。特に、社会構造の変化に対応するため、DXの重要性が高まっていることを実感しました。今後はこれらの学びを次の取り組みに活かし、より利便性の高い学会運営を目指します。

 当学会は70年近い歴史をもち、歯周病学研究の最前線を牽引し続けてきました。私は、この伝統を継承し、将来を見据えた新たな改革を行うことで、会員が安心して活動できる環境を整えていきます。そして、学会の主業務である歯周病研究の見える化や多様性の尊重、特に男女問わず若手研究者や臨床家、歯科衛生士が参加しやすく活躍できる場を提供します。また医師や管理栄養士、言語聴覚士との連携を図り、将来に夢を託せる学会となるために会員目線での改革を行うことが私の使命と考えています。

 短期的ビジョンとして、団塊の世代が後期高齢者となり、超高齢社会が進行しているなかで、高齢者の歯周病罹患率上昇への対応が急務です。歯周病は加齢性疾患の併存症ですので、生体制御系との関連研究を進め、医科歯科連携を強化します。また、国民皆歯科健診制度への提言や、日本歯科専門医機構認定歯周病専門医の育成、歯周組織再生療法の細胞応用や新たな手技の考案・改良、AIやICT技術の導入をつうじて「国民の健康」を追求します。

 中長期的には、女性役員の登用を増やすことを目指した組織づくりを推進し、未来の歯科医療を担う人材を育成します。また、会員が参画する大規模研究データの蓄積や医療ビッグデータの分析を国際的に発信することで、持続可能な学会の発展、国民への貢献の実現を目指します。

 当学会は、国民病ともいえる歯周病を克服するために、会員の研究成果を社会に還元する役割を果たしています。今後は会員の実績を高めるべく、なかでも若手会員のさらなる育成や活躍を支援したいと思います。また、患者さん向けの相談サイトをはじめ、認定医や歯周病専門医、認定歯科衛生士が検索できるサイトを新たに設け、国民の健康寿命を延ばすための啓発活動にも力を入れたいと考えています。