マイナス1歳から始める母子保健のすすめ! 2024年4月号掲載 Vol. 3 母親の口腔健康について 後で読む 妊娠による口腔内の変化 前号では、主に子どもの口腔健康の視点から母子保健の重要性を解説しました。今回はお母さんの口腔の健康に焦点を当てたいと思います。 妊娠すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加します。それらのホルモンによって歯肉溝の細菌叢、脈管系、細胞の機能、免疫応答などが影響を受け、またある種の歯周病菌の増殖が促進されるため、歯周組織に炎症反応が起こりやすくなります。唾液の分泌量や質の変化によって自浄作用も低下します。 妊娠初期はつわりによって口腔清掃... 仲井 雪絵 ナカイ ユキエ 神奈川歯科大学大学院歯学研究科小児歯科学分野 教授 1992年、岡山大学歯学部卒業。1996年、同大学大学院歯学研究科修了後(博士〔歯学〕)、同年4月より同大学歯学部助手。1997年より3年間、ワシントン大学歯学部(米国シアトル)へ留学。2000年に帰国後、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科助教を経て、2016年、静岡県立大学短期大学部教授。2025年4月より現職。※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。