社会|2026年7月6日掲載

辻󠄀本真規氏が「拡大診療 超入門」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第90回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第90回WEBINARを開催

 さる7月2日(木)、辻󠄀本真規氏(福岡県開業)によるWEBINAR #90「拡大診療 超入門」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、演者の著書『歯科医師・歯科衛生士のための拡大診療 超入門』の内容をベースに行われた。

 まず、辻󠄀本氏はルーペとマイクロスコープの基礎知識について、その種類や特徴を詳しく解説した。ルーペにはガリレアンタイプ、ケプラータイプ、エルゴタイプの3種類があり、それぞれの利点と欠点が示された。特に近年注目されているエルゴタイプは、軽量なうえにマイクロスコープのようなまっすぐな姿勢で診療ができるため、首への負担が少ないという利点が強調された。また、ルーペを導入する際の倍率については、低倍率では拡大診療の効果を実感しにくいため、最低でも5倍程度を選択すべきであると述べられた。さらに、術者が無意識のうちに片目で覗いてしまっているケースが多いことを指摘し、両目で正しく立体視するために、アイカップの調整、視度調整、眼幅調整の具体的な手順が説明された。

 次に、身体に負担なく診療を行うためのポジショニングの基本が説明された。ルーペ、マイクロスコープともに、治療部位との焦点距離が長くなると、腕の位置が下がり自重による疲労につながるため、適切な距離を保つ重要性が説かれた。患者のポジショニングについては、上顎の咬合平面を床から垂直に対して-7°(頭側)に設定することを基本とし、治療部位や目的に合わせたヘッドローテーションやマイクロスコープの鏡筒の角度調整について解説された。

 さらに、ミラーテクニックを習得するために必要な“5つの面”(咬合面、頬・唇側面、舌・口蓋側面、近心面、遠心面)と“2つの動き”(頬・舌側方向の動き、近・遠心方向の動き)について説明し、これらを組み合わせた練習法が紹介された。また、像が二重になるのを防ぐためにフロントサーフェイスミラーの使用を推奨し、ミラーの角度による見え方の違いや、ミラートップの角度が操作性に与える影響についても言及された。ミラーを縦方向に挿入することで口角への干渉を避け、手首の負担を軽減しながら操作性を高めるコツも示された。

 続いて、実際の臨床における拡大診療の見え方と見るべきポイントについて、症例動画とともに解説された。歯内療法におけるMB2の探索や、歯周治療におけるポケット内のクラックの発見、外科的処置における歯肉縁下歯石の除去など、拡大診療が処置の精度を向上させる様子が示された。また、対象を斜め45°から観察することで立体視が容易になることが説明された。

 最後に、マイクロスコープの使用を始めて1年未満である自院の歯科衛生士の失敗例が供覧された。患者が顎を引いていたり、マイクロスコープの鏡筒の角度が適切でなかったりといった、拡大診療がうまくいかない原因を分析しながら、見直すべきポイントが解説された。そして、拡大診療を適切に行うための3つのポイントとして、(1)機器の適切な調整、(2)適切なポジショニングとミラーテクニックの習得、(3)拡大視野での見え方の理解と各分野の勉強を挙げ、講演を締めくくった。

 本講演の振り返り配信は、2026年10月2日(金)まで新規購入が可能である。なお、次回のWEBINAR #91は、小田 憲氏(東京都開業)および森末裕行氏(東京都開業)を招聘し、「Q&Aで疑問解決!令和8年度歯科保険請求『虎の巻』」と題して、きたる7月16日(木)に開催予定。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

関連する特集