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耳鼻咽喉科との連携実現を高く評価

2020年5月号掲載

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耳鼻咽喉科との連携実現を高く評価

日歯定例会見

提言内容について説明する柳川忠廣副会長。
提言内容について説明する柳川忠廣副会長。
 3月26日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による定例記者会見が開催された。

 冒頭の挨拶で堀会長は、さる24日(火)に行われた新型コロナウイルス対応に関する医療関係団体および厚生労働省による協議会(非公開)において、診療所の立場として歯科医療・歯科口腔保健サービスの提供を控える介護施設が増えている状況を述べたうえで、長期化した場合には誤嚥性肺炎等の増加が懸念されることを進言した旨などを報告した。

 引き続き柳川忠廣副会長より、「摂食嚥下障害診療における耳鼻咽喉科と歯科との連携」に関する提言が取りまとめられたことが報告され、高齢化が進むなか今後さらなる増加が予想される摂食嚥下障害について、歯科と耳鼻咽喉科が連携して診療を行う方針が示された。

 摂食嚥下障害患者の生活においては安全に食事ができる環境を整えていくことがきわめて重要であるため、経口摂取の可否の判断や安全な食形態の選択、代替栄養法の適応判断、嚥下訓練や外科的治療の手技選択といった一連の対応を、適切かつ円滑に行うことを目的としている。

 本提言は、2017年からの3年間にわたり日本耳鼻咽喉科学会と日歯が話し合いを重ねてきた末の実現とあって、堀会長も「非常に感慨をもって受け止めている」と高く評価した。

 健康寿命の延伸という目標に向け、これからの医療の課題となっている医科・歯科連携の大きな一歩となることに期待したい。