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2015年6月28日

東京医科歯科大学歯科同窓会Dr臨床セミナー「子どもの歯の外傷」開催

講師に宮新美智世氏を招聘

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 さる6月28日(日)、東京医科歯科大学(東京都)において、東京医科歯科大学歯科同窓会Dr臨床セミナー「子どもの歯の外傷」が、宮新美智世氏(医歯大大学院小児歯科学分野准教授)を講師に迎えて開催された。

 宮新氏は、歯根と歯冠の「不完全破折」や歯の破折縁の「亀裂」といった微細な損傷は、エックス線写真やCT像に映りにくいので、外傷の世界は画像診断だけでは評価できない世界である、と述べた。また、歯の硬組織は歯冠破折・歯根破折・歯冠歯根破折・不完全破折・亀裂、歯周組織は振盪・脱臼・亜脱臼・転位・陥入・挺出・歯槽骨骨折、歯髄は損傷(虚血)と、3部位各々で損傷・障害が起こり、さらにそれらの合併が起こり、診断は複雑となる。そのため、経過を観察して、歯髄や歯周組織が治ったり治らなかったりするようすを見ながら、適切な時点での治療が必要、と述べた。

 外傷という歯科では珍しい急性の疾患でも、minimal interventionの見地から、なるべく歯質・歯髄・歯槽骨を保存できるようにし、子どもの成長を見守りたい、との宮新氏と集まった臨床家の思いが感じられた。