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2016年11月12日

CID 15周年記念学術講演会開催

「臨床ゴール達成のための近代的治療戦略」をテーマに、約800名が参集

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 さる11月12日(土)、13日(日)の両日、ベルサール新宿グランド(東京都)においてCID(Center of Implant Dentistry)15周年記念学術講演会(林 秀一実行委員長、新村昌弘会長、勝山英明代表顧問)が「臨床ゴール達成のための近代的治療戦略」をテーマに開催され、会場には約800名が集まった。

 1日目の「New approach for clinical excellence」セッションでは、Iñaki Gamborena氏(スペイン開業)、中田光太郎氏(京都府開業)が講演した。インプラントの埋入コンセプトや解剖によってさまざまな配慮を行い、結合組織の厚みを最大限に得ることや、症例の特徴をとらえ適切に軟組織を取扱うことについて講演が行われた。続いて新村昌弘氏(東京都開業)が抜歯からメインテナンスまでの各治療タイミングで行われうる軟組織のマネージメントについて講演を行った。Ronald E. Jung氏(チューリッヒ大)は、硬・軟組織移植は成功の鍵か? と聴講者に問いかけ、正しい意思決定の重要性を強調しテクニックやマテリアル選択に関わる因子を示した。

 2日目午前の「Implant vs. Natural dentition」セッションでは、初めに岡田素平太氏(東京都開業)が審美部位におけるインプラント周囲のバイオタイプの変換について、エビデンスを示しながら解説した。林 秀一氏(奈良県開業)からは、長期的な審美性を得るために解剖や組織への圧などの、外科と補綴の各段階において配慮すべきポイントが明示された。大谷 昌氏(大阪府開業)は症例を通して、口腔領域にとどまらず顎口腔機能系を総合的に診断して治療するマルチディシプリナリーアプローチを示した。Urs C. Belser氏(ベルン大)は、長期症例を示しながら審美的に最適な結果を得るための補綴主導テクニックについて述べた。

 午後の「Tissue regeneration for clinical achievement」セッションでは、まず池田康男氏(静岡県開業)より軟組織移植での血管新生の増強をねらったenamel matrix derivative(EMD)応用について講演が行われた。次いで月岡庸之氏(東京都開業)は、異なる欠損形態の症例とエビデンスを提示しながら、骨増生を成功に導く要件、リスクファクターについて解説した。Bach Le氏(南カリフォルニア大)は、どの状況においても確実に成功する術式は今のところ存在しないという現実をふまえ、諸々の水平的、垂直的骨増生テクニック適用にあたっての骨欠損形態とリスク/ベネフィットを考慮した戦略的対応について述べた。

 各セッションの最後には、診断機器の使い分けの判断や、関連するエビデンスなどについて質疑応答が行われた。