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2021年9月12日

大阪大学歯学部同窓会、2021年度若手支援・復帰支援臨床セミナー(第2回)をWeb配信にて開催

臨床の勘所をわかりやすく解説

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 さる9月12日(日)、大阪大学歯学部同窓会(谷口 学会長)による、2021年度若手支援・復帰支援臨床セミナーがWeb配信にて開催され、43名が参加した。

 本セミナーは、臨床研修修了後5年目までの若手歯科医師ならびに臨床からしばらく離れて復帰を目指す歯科医師を対象に、基本的な臨床技術や知識の習得を目指すものである。今年はオンライン講義により2回にわたって開催され、2回目となる今回は、吉備政仁氏(大阪府開業)による「部分床義歯を成功へ導く考え方と設計」、須田剛義氏(大阪府開業)による「口腔診断学 臨床力を底上げする診査・診断」がそれぞれ行われた。

 最初に登壇した吉備氏は、まず、部分床義歯成功のための要点として、「難易度の評価と診断」「設計と前処置」「精度の高い臨床手技と技工操作」「リハビリテーションと維持管理」を挙げた。そのうえで上顎右側欠損部に対する部分床義歯の症例をもとに、難易度の評価の重要性やその評価法、過去・現在・予後の診断の必要性などについて解説した。また設計においては、「動かない義歯」「汚れない義歯」「壊れない義歯」が原則であり、設計の順序も力の伝達の順に行われなければならないとして、人工歯配列→支持設計→把持の設計→ガイドプレーンの設計→維持の設計→連結装置の設計を、順を追って解説した。

 続く須田氏は、1口腔内で行われる歯科診療においては、診断や治療、補綴、メインテナンスのフェーズがあるが、かなりの時間を費やすのが診断フェーズであるとして、患者の分析や現状に至った原因、口腔外・内の分析、また、分析後の結果に対する捉え方などについて、さまざまなケースを挙げ解説した。

 本セミナーは、例年であれば模型や口腔内写真などの資料を配布して、疑似診断や参加者同士で話し合うなどの実習をともなう講義であるが、それができない昨今の状況を残念がる講師らの様子がみられた。来年は通常どおりの実習ができることを期待したいとした。