学会|2025年4月22日掲載

「Beyond The Horizon」をテーマに

第68回日本形成外科学会総会・学術集会開催

第68回日本形成外科学会総会・学術集会開催

 さる4月16日(水)から4月18日(金)の3日間、ホテルニューオータニ(東京都)において、第68回日本形成外科学会総会・学術集会(櫻井裕之大会長、貴志和生理事長)が「Beyond The Horizon」をテーマに掲げ、開催された。

 本学会は、外科、皮膚科、整形外科、耳鼻咽喉科、口腔外科など多くの関連領域を擁する。近年報道でも一般に話題となったクマ被害や、美容治療、次世代への手術手技の教育、海外での活躍を含むキャリアアップ、ロボットやAIなどのテクノロジーの活用などのバラエティに富んだセッションが組まれ、会場は多数の来場者でにぎわい、盛況であった。

 なかでも2日目には、歯科・口腔外科ともかかわりの深い口唇口蓋裂や顎顔面外科、頭頸部再建外科などのシンポジウムが開催された。シンポジウム 8「顔貌改善のさらなる高みを目指した顎顔面外科 ~Maxillofacial surgeryにおける形成外科の治療戦略~」では、外科的矯正治療や口唇口蓋裂治療を含む講演が行われた。矯正歯科治療時に困難をきわめた症例に、形成外科にて顎矯正手術を行った症例や、口唇口蓋裂の治療での成長段階に応じた形成外科の治療テクニックなどが動画を交えて供覧された。

 午後には、美容医療に関する委員会/国際委員会の合同企画として「形成外科と美容外科の関係性の再考:まずは各国の現状を知るところから始める」と題し、韓国などアジア諸国を含む諸外国での美容外科医療の制度や運用の現状が講演された。

 シンポジウム 12「一人前の頭頸部再建外科医はどのように生まれるのか、育てるのか」では、若手からベテランまで、さまざまな経歴をもつ頭頸部再建外科医の演者により、みずからの経験が語られた。耳鼻咽喉科や口腔外科とも連携し、難手術も多いこの領域でキャリアを積んできた各演者の困難な局面で工夫したことや今後のキャリアの展望を語り、最後の総合討論では活発な質疑応答がなされ、次世代への教育方法やテクノロジーの活用についても活発なディスカッションが交わされた。

 なお、次回学術大会は、きたる2026年4月22日(水)から24日(金)の3日間、あわぎんホールJRホテルクレメント徳島(ともに徳島県)において、橋本一郎大会長(医師、徳島大学形成外科)のもと開催予定である。

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