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社会|2025年7月23日掲載

海外招待講演にHom-Lay Wang氏、特別講演に鮎川保則氏を招聘し、活況を呈す

オッセオインテグレイション・スタディクラブ・オブ・ジャパン(OJ)、2025年年次ミーティング開催

オッセオインテグレイション・スタディクラブ・オブ・ジャパン(OJ)、2025年年次ミーティング開催

 さる7月19日(土)、20日(日)の両日、エルガーラホール(福岡県)において、オッセオインテグレイション・スタディクラブ・オブ・ジャパン(以下OJ、金成雅彦会長)2025年年次ミーティングが「インプラント治療、もしもの対応、こんな時どうする??~審美・機能・インプラント周囲炎に関連して~」をテーマに開催され、メーカー関係者を含め約400名の参加者が参集した。

 初日の午前は、今年の2月に開催されたOJミッドウィンターミーティングにて選出された6名の演者による会員発表が行われ、松山康正氏(静岡県開業)、関根 聡氏(埼玉県開業)、萩原 誠氏(兵庫県勤務)、中田 穰氏(広島県開業)、小島将太郎氏(東京都開業)、中島圭治氏(佐賀県勤務)がそれぞれ講演した。会員発表ではデジタルデンティストリーや咬合再構成、前歯部複数歯連続欠損の治療戦略などについて論じられた。

 午後はHom-Lay Wang氏(ミシガン大学)による海外招待講演が行われ、インプラント周囲炎の診断の方法やリスクファクターについて解説。その後、正会員コンテストでは下田 徹氏(兵庫県開業)、竹内公生氏(静岡県開業)、筒井祐介氏、菊池大輔氏(ともに福岡県開業)が登壇し、矯正歯科治療を併用したインプラント治療や審美領域の治療アプローチについて語った。なお、OJ Awardは竹内氏が受賞した。

 2日目の午前には、「インプラント治療の失敗を防ぐための基礎知識」と題して鮎川保則氏(九州大学)による特別講演が行われ、インプラント治療の原理原則や口腔衛生指導について文献ベースで論じた。その後、インプラント治療におけるトラブル回避のポイントについてWang氏による海外招待講演と、片山 昇氏(三重県開業)によるクリニカルリサーチ委員会の説明が行われた。

 午後には山下恒彦氏(デンテックインターナショナル)がOSCSC会長講演にてOSCSCやOJの歴史を語った後、シンポジウムI「機能性インプラントのリカバリー」では、野阪泰弘氏、米澤大地氏(ともに兵庫県開業)が補綴的トラブルの対処法について解説。野阪氏はインプラント体破折のリカバリーに要する費用負担について術前に保証期間を設定すべきと話し、米澤氏はスクリュー固定/セメント固定の利点欠点を説き、マテリアルを含め歯科技工士とデザインを考えるべきだと語った。

 そして、シンポジウムⅡ「審美エリアインプラント硬・軟組織のリカバリー」では林 美穂氏(福岡県開業)、山口文誉氏(神奈川県開業)が、シンポジウムⅢ「インプラント周囲炎のリカバリー」では鳥潟隆睦氏(大阪府開業)、水上哲也氏(福岡県開業)が登壇し、インプラント‐インプラント間の乳頭再建やインプラント周囲骨欠損に対する再生療法などについて説いた。なかでも水上氏は、インプラント周囲炎の治療においてはまず悪化の要因を分析してその改善を行い、再生療法が適応の場合はSubmergedあるいはNonsubmergedかに応じて術式を選択するとした。

 別ホールでは、三好敬太氏(東京都勤務)、宮下まりこ氏(日本歯科厚生協会)、川島侑里氏(神奈川県開業)、新城秋乃氏(歯科衛生士、デンタルオフィス新都心)、田内友貴氏(歯科衛生士、yuki DENTAL care)、下田裕子氏(歯科衛生士、水上歯科クリニック)、中村美紀氏(管理栄養士、かすもりおしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニック)、藤本和泉氏(歯科衛生士、歯科・林美穂歯科医院)、山口千緒里氏(歯科衛生士、ブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター)によるコ・デンタルセッションが行われた。

 最後に、白土 徹氏(福岡県開業)による大会長挨拶、副会長の中川雅裕氏(東京都開業)による閉会の挨拶が行われ、盛況のうちに終了した。なお、来年の年次ミーティングはきたる2026年7月11日(土)、12日(日)の両日、北九州国際会議場(福岡県)において「デジタル」をテーマに開催される予定である。

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