2024年9月1日掲載
パノラマ・CT所見で考える 智歯の診断・治療・管理(第9回)
第9回:歯導帯について
下顎智歯の特徴をひも解く重要な歯導帯?!
前回、下顎智歯の抜歯を行うために必要な解剖学的構造について解説しました。下顎智歯は、下顎枝の中で発生して歯列弓に並ぶために移動するのですが、この下顎智歯の特徴を考えるうえでもう1つ重要な歯導帯という解剖学的構造があります。今回は、この歯導帯について解説したいと思います。私は、この歯導帯が下顎智歯の特徴をひも解く重要なカギになるのではないかと考えています。
下顎智歯の発生メカニズム
まず、下顎智歯の発生について復習したいと思います。永久歯は、先行する乳歯が脱落して萌出する代生歯(後継永久歯)と、先行する乳歯が存在しない加生歯とに分けられます。歯胚の発生は、代生歯と加生歯とで異なるのです。代生歯は先行する乳歯の歯胚の舌側基底部から上皮が増殖して歯堤を形成し、乳歯の歯胚の深部まで増殖して代生歯の歯胚の原基となります。第1大臼歯などの先行乳歯をともなわない大臼歯は、第2乳臼歯の歯胚の遠心側から乳歯歯堤が遠心に増殖して伸び、そこから歯胚が形成されます。第2大臼歯の歯胚は、第1大臼歯の歯堤が遠心に伸びて形成され、(図1)さらに、第2大臼歯の歯堤が遠心に伸びて第3大臼歯の歯胚が形成されます(図2)。