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2025年8月号掲載

人々の笑顔を守る歯科衛生士を守るために

※本記事は、「新聞クイント 2025年8月号」より抜粋して掲載。

 歯科衛生士は口腔の健康を守り、国民の健康と福祉の増進に寄与しています。近年、歯科衛生士への期待が高まる一方で、人材確保も喫緊の課題となっています。令和6年度診療報酬改定では医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取り組みが行われ、歯科衛生士にとっても働き方改革の影響を実感しているところです。

 日本歯科衛生士会は、令和6年「第10回歯科衛生士の勤務実態調査」を行い、その報告を公表しました。

 その結果から当会会員は仕事に対する意識が高く、「歯科衛生士としての仕事にやりがいを感じている」と答えた方が多い一方で、「歯科衛生士としての労働環境や雇用条件に満足しているか」の問いには、残念ながらそれらと比例していないことが見受けられました。改善を求める点でいちばん多い回答は処遇改善ですが、次に多かったのが専門性や資格などの評価でした。これは当会が取り組むべき課題と捉えています。

歯科衛生士に免許の更新制度はなく、生涯学習は自己努力です。一度取得した国家資格に甘んじることなく研鑽を積んだ歯科衛生士が評価されるためには、歯科衛生士が専門職として信頼され、活躍できる環境整備と歯科衛生の価値が社会全体で認識される未来を歯科衛生士会が目指していかなければなりません。

 歯科衛生士の業務は歯科保健指導や口腔健康管理をとおして人々の笑顔を守る魅力的な仕事です。当会は復職や新人歯科衛生士への支援とともに、活躍できる歯科衛生士の働き方を守っていきたいと考えています。