Web限定 2021年8月15日掲載 日本酒「SAKE」の世界へようこそ 美酒へのいざない (第7話) 後で読む 第7話:ピンチをチャンスに 一筋縄ではいかない日本酒造りの難しさ 日本酒造りは、おそらく皆様がお考えいただいている以上に難しさがともないます。たとえば、皆様が鍋でお味噌汁を作ったら、毎回いつも同じ味に仕上がりますか? ダシや味噌の分量を整えても、きっと同じ味にはならないと思います。 なぜなら、私は20年近く米や水などを同じ分量にして日本酒造りを行っていますが、毎年毎回微妙に異なるものに仕上がるのをリアルに体験しているからです。けっして同じものを造るのが最良であるとい... 新澤巖夫 にいざわ・いわお 株式会社新澤醸造店 5代目蔵元 1975年宮城県生まれ。東京農業大学農学部醸造学科卒業。大学卒業後、家業である酒造りを継ぐため酒造りを始動。25歳で杜氏に就任。同年に究極の食中酒「伯楽星」を生み出す。「伯楽星」はJAL国際線ビジネスクラス・ファーストクラスに12年連続搭載され続け、ミラノ万博公式酒、2010年・2014年FIFAワールドカップ公式酒になるなど、国内外で注目される。36歳の時に代表取締役に就任。2016年には世界最大の出品数を誇る「SAKE COMPETITION」で純米酒部門世界一を取得するなど、実力蔵へと成長を遂げる。現在は25歳の女性杜氏に製造指揮権を譲り、指導者として幅広く活動。利き酒能力を評価され、毎年SAKE COMPETITIONの審査員を務める。 ※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。