萬人一語

第24回日本歯科医学会学術大会の終わりは始まり

2021年11月号掲載

関連キーワード:

2021年11月号掲載

第24回日本歯科医学会学術大会の終わりは始まり

 第24回日本歯科医学会学術大会(以下、本大会)は本当に閉会したのだろうか。

 参加者の皆さんが本大会の閉会を実感するのは、まずは2021年9月25日の閉会式終了時、もしくはオンデマンド配信が終了する10月31日午後5時、学会関係者では準備委員会の任期終了の2022年3月31日だろうか。

 3日間のオンライン配信や1か月間のオンデマンド配信によって、効率的な学びの環境を味わうと、その余韻がまだ続いている気分に変わった人もあろう。準備委員会の方々は自分の担当業務の終了時点ではなく、開催に要した費用の決算という区切りもあり、来年3月31日までは大会関係者としての検証が求められる。もちろん会頭の私にも該当するわけだが、その時点でも終わるとは考えていない。本大会は次回に継続されているからである。

 ここで示された課題や仕掛けは、これからが本番だ。これこそが、今回の学術大会がターニングポイントにあるといわれるゆえんで、ニューノーマルの学術大会がスタートしたのである。ここで発したものを社会実装し、歯科医学・医療をとおした社会的貢献によって存在意義を社会に示すという、歯科界活性化への挑戦の始まりである。歯科イノベーションロードマップには、マイルストーンとともに少なくとも2040年までの挑戦が明示されている。

 私の頭の中には、これらの挑戦が暗い海に光る灯台のように続いている。終わりは始まりであり、始まりは終わりを迎えなければならない。これも逆転の発想だ。