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2022年7月号掲載

次世代に引き継がれるべき“レガシーブック”

【PR】マイクロサージェリーのパイオニア Dr. Shanelecの遺志を引き継いだマイクロサージェリーの決定版!

※本記事は、「新聞クイント 2022年7月号」より抜粋して掲載。

 小社5月の新刊として『ペリオドンタル&ペリインプラント プラスティックマイクロサージェリー』が刊行されました。マイクロサージェリーを数多く行っている中田光太郎氏(京都府開業)に、本書の詳細と見どころを語っていただきました。 (編集部)

1章を読んだ時点で「これはすばらしい書籍だ」

 最初に書評を執筆する者として陳謝しないといけないことがある。たいへん申し訳ないが、私は本書の著者らについての情報をほとんどもっていなかった。これは、欧米以外の国(ブラジル)の著書ということも関係したと思う。しかしながら本書の1章を読んだ時点で、これはすばらしい書籍だと驚きを禁じ得ず、ここに章を抜粋してその感想を一気に書かせていただきたいと思う。

創傷治癒達成のためのすべてが網羅されている

 まず1章において、マイクロサージェリーを行い、その教育も著者らと同様に行う立場として、創傷治癒をとことん深く掘り下げた内容に驚くとともに、マイクロサージェリーと外科処置の本質をついた、結果を出すためのテクニカルポイントの列挙が詳細に行われている。

 Dr. Dennis Shanelecは、デンタルマイクロサージェリーが医科より20年遅れていることを指摘し、しかしながら医科のテクニックから多くを学べることを私たちにご教示されている。Dr. Shanelecは、一般外科の血管吻合手術におけるマイクロサージェリーから、歯周軟組織手術との哲学的そして生物学的な類似性を確立した。最終的に「一次創傷閉鎖を獲得して、一次創傷治癒を得る」という創傷治癒の目的を達成するために、何が必要かを網羅している。また、圧倒的に美しいイラストが読者の理解をよりいっそう高めるだろう。

本書は、Dr. Shanelecの書籍ともいえる

 2章では、著者らに大きな影響を与えたと序文でも言及されているDr.ShanelecとDr. Leonard Tibbettsの2名が1998年に発表した、かの有名な「ペリオドンタルマイクロサージェリー」を基にして、その臨床の考え方、拡大視野での手術の原理・原則が著されている。

 ここで注目すべき点は、Dr. Shanelecがつねに強調している「マイクロスコープ」と「ルーペ」の相違点である。そして著者らは、従来よりDr. Shanelecが提唱していた「マイクロサージェリーとは、手術用顕微鏡を用いることで向上された視覚能力により可能となった従来の歯周外科の改良型である」とここではっきりと定義付けをしている。 同じく8章も著者はDr. ShanelecとDr.Tibbettsとなっており、あの有名な「SMILEテクニック」について言及されている章となっている。

 すなわち本書は、Dr. Shanelecの書籍ともいえるのである。外科処置直後と思えないほどの精緻で侵襲の少ない即時プロビジョナリゼーションは、まさにSMILEテクニックの代名詞であり、圧巻の一言につきる。すべてがシステマティックであり、マイクロスコープ下なくしては、この結果はあり得ない。即時埋入即時プロビショナリゼーションの教科書としてぜひご覧いただきたい。

テクニックの習得方法を惜しみなく披露

 3章と4章では、実際の臨床テクニックの習得のためにトレーニング・診療姿勢にフォーカスを当てている。この章と同様の書籍を著した私としては、圧巻の一言に尽きる内容である。特に縫合のトレーニングは非常に詳細であり、動画でも学べる内容となっている。マイクロスーチャリングの基本がすべてここにある。ぜひこの3章を使ってとことんトレーニングをしていただきたい。

 本文より「マイクロサージカルテクニックは魔法で学べるものではない。技術の上達には時間を要するが、すべてのピースがそろった時、仕事が楽しくなるだろう」――マイクロサージェリーといえばその臨床結果がすべてというようなイメージがあり、この書籍のもっともすばらしい点は、そのために何が必要かを惜しみなく披露していることである。

非常に高い技術を美しい臨床写真で学べる

 5章、6章、9章では、具体的なマイクロサージェリーのテクニックに進んでいく。著者らのDr. Shanelec譲りの非常に高い技術を美しい臨床写真で学ぶことができ、1つ1つのテクニックの解説が詳細になされている。本当のマイクロサージェリーの姿がここにある。処置の細かなステップバイステップを臨床写真で見せているが、それでも足らないと思われる部分は模型でさらに補足解説している。これには脱帽である。

 特に9章では、通常修復は困難であると思われる複雑な症例にフォーカスが当てられており、個人的に非常に興味を惹かれた。

Dr. CoachmanによるDSD症例の詳細を供覧

 7章も本書の大きな魅力である。Dr. Christian Coachmanが参加しDSD(デジタルスマイルデザイン)について、歯冠長延長術症例の治療計画から治療内容、その結果までの詳細が供覧されている。顔貌写真、CBCTによる3Dレンダリング、口腔内の光学印象の重ね合わせにより、術前にここまで具体的な完成イメージを得ることができることには驚かされる。またPDG(歯周ダブルガイド)はぜひ私もルーティンで使いたい手術用ガイドである。

マイクロ初心者から熟練者まで みなさまにオススメしたい

 本書は、マイクロスコープを用いたマイクロサージェリーに特化しており、それが言葉ではなく臨床写真からひしひしと伝わってくる。さらに、ともに今は亡きDr. ShanelecとDr. Tibbettsのオマージュにあふれており、何より生前書籍という形で多くを残していない彼らに代わって、Dr. CamposとDr. Lopesがその想いを引き継いだようにみえるのは私だけであろうか。マイクロ初心者から熟練者まで、みなさまにぜひオススメしたい1冊である。

 最後に、すばらしいこの書籍に出会えたことに感謝したい。本書を日本語に翻訳された松川敏久先生はじめ訳者の先生方へ敬意を表する。

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