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2021年3月1日掲載

人生100年時代に必要な男性学

勝ち組歯科医の皆さんへ(第3回)

勝ち組歯科医の皆さんへ(第3回)
第3回:年配の男性に多いありがちミステイク

森 喜朗さん発言問題から学ぶ社会との認識のズレ
 前回は、社会的な地位が高い男性ほどありがちな勘違いについて「ポイントカード」を例に解説させていただきました。おかげさまで読者の皆さんから多くの反響をいただいているようでうれしく思っています。それだけ、業界が狭い社会ということについて皆さんが共感されたのでしょう。

 先般、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長を辞任した森 喜朗さんの発言が話題となり、各種メディアで報道されました。私は男性学の視点からさまざまな媒体をとおしてコメントしていますが、根本的な解決策として「女性を見下すのが『当然』という感覚をもっていると何が問題なのかわからないはずなので、①『何が問題かわかる人』②『何が問題かわからない人』の両方に向けた発言が必要」と説明しています。森さんのような発言は、特に年配の男性に多い傾向があると思われます。

 今回は、普段の歯科医院でも起きていると思われる事例を紹介しながら、その問題について解説したいと思います。もし少しでも心当たりのある院長先生は、今ならまだ間に合いますので、落ち着いて読んでみてください(笑)。一方、心当たりがないと思っている院長先生には、近しい家族や友人の皆さん、一声かけることをオススメします。

 突然ですが、院長先生は歯科衛生士や歯科助手のスタッフたちを小間使いみたいに扱っていることはありませんか? もちろん、「そんなことはない!」と鼻息を荒くしている院長先生はいるでしょう。しかし、歯科衛生士や歯科助手のスタッフたちのことを小間使いしている院長先生側からすると悪気はなく当たり前のことをしているだけなので、嫌だなぁと思っているスタッフとの意識のズレ(ギャップ)が生じているわけです。

職場で遭遇する「お土産配付」問題
 以前、前に若い女性ばかりを対象にした研修会を実施したときに「男性の上司から頼まれて嫌なことは何ですか?」という質問をしました。すると、「お土産を買ってきたから配っておいてね、といわれるのがすごく嫌だ」という話が出てきて、会場にいた若い女性のほとんどが共感したのです。思わず膝を打つ歯科衛生士や歯科助手の皆さんは多いのではないでしょうか。

 上司は、「お土産を買ってきた」という行為に対して自分は良いことをしたと思っているわけです。「配っておいてね」という発言は、まさに多くの男性が気づいていない女性蔑視だと思うのです。要するに、自分がやると面倒くさいことを女性に押し付けているという……。そこで出た意見は、もうおわかりですよね。「自分で買ってきたわけだから自分で配ればいいのに!!」という意見が多かったのです。企業を対象とした研修会、特に上司の人を集めた場でこの内容を話したとき、まさしく「シーン……」としました。それは過去にやったことがあるからでしょうね。

 上司の「面倒くさいことは女性に押し付ける」という行為は、今ではだんだん通用しなくなってきているとは思いますが、かつては通用していました。その理由の1つとして、男性中心の社会の中で面倒くさいことを任された女性は、結婚・出産・育児といったライフイベントによって辞めていくことが多かったので、我慢してきたことが挙げられます。

 しかし、現在では女性の社会進出が増えてきています。歯科界においては、歯学部や歯科大学の学生のほぼ半分は女性のようですし、歯科衛生士の皆さんも結婚するまでのつなぎ的な仕事ではなく、最近では自分の専門性に自信をもち長く働いているベテランの歯科衛生士がたくさんいるとお聞きしています。

 では、話をお土産配付に戻します。院長先生はお土産を買ってきたり、たとえば取引先からお土産をもらったりした場合、どのように対処すればよいでしょうか。やはり、押し付けるのではなく「ご自由にどうぞ」などといったメモを付けたり、一声かけて「良かったら食べてね」など、セルフサービスを促すことがよいでしょう。

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