2025年2月号掲載
こんなエンド本見たことない!
【PR】 12種類の難症例を事前に鑑別! “臨床コミックエッセイ”発刊
※本記事は、「新聞クイント 2025年2月号」より抜粋して掲載。
小社1月の新刊として『すんなり治ればエンドも楽しい! ハマる前に知っておくべき“歯内療法の落とし穴12”』が刊行されました。本欄では、その著者である和達礼子氏(東京都開業)に本書の出版の意図や読み方について語っていただきました。(編集部)
「ザ・クインテッセンス」誌の人気連載が書籍化!
GPにとって、エンドの難症例は頭の痛い問題です。難症例を1つ抱えているだけで、時間も心も消耗します。しかし、本当の難症例は目立ちません。だから、気づかずにうっかり手をつけてハマってしまうのです。
さらに、こうした症例の厄介な点は、“難症例”であることが、患者さんにとってもわかりにくいということです。そのため、「先生が下手だから」「先生がミスしたから」と思われがちです。
こうしたことを、私は自身の失敗から嫌というほど経験しました。そんな時にザ・クインテッセンス編集部の方からお声掛けいただき、同誌で「あなたのエンドのストレスを減らしたい 目立たず気付きにくい難症例12」と題した連載(2023年1月号~12月号)をもたせていただくことになりました。本書はその連載に、加筆、修正を行ったものになります。
本書執筆の想い
かかりつけ医の先生から紹介される症例は、大きく分けて2種類あります。1つは、まだ手をつけていない歯。もう1つは、すでに着手されている歯です。前者は、だれが見てもわかりやすいあからさまな難症例。後者は、一見しただけでは難しいようには思えない“隠れ難症例”である場合が多く見受けられます。その結果、難症例と気づかず、いつもどおりに治療を始めてしまい、治療を繰り返しても改善がみられずに、先生方のストレスの種になりがちです。
本書では、こうした“隠れ難症例”を12種類に分けて解説しました。どれもがエンドの“あるある”な症例ばかりで「あたりまえな話だ!」と思われるかもしれません。しかしそのぶん、これまでのエンドの成書では語られなかった内容も表現できたのではないかと思っております。
エンド分野以外の先生こそ ぜひご一読を!
以上のような背景で執筆したため、本書の読者対象は、エンド専門医というよりは、これからエンドを勉強しようと思われている若手の先生方、ご自身の診療を振り返りたいベテランの先生方、勤務医の先生のエンド力アップを期待されている院長先生を想定しています。
そのため、書籍内ではあえて顕微鏡や歯科用CT、特殊な器具による治療方法は解説しておりません。一般診療をされている先生方が、“目立たない難症例に事前に気づき、適切に対応すること”“その難しさを患者さんと共有すること”により、ストレスが軽くなり、エンドが楽しくなるためのお役に立てれば幸いです。
うまくいかないのがエンド
多くのエンドの成書は、診断、治療法の選択、手技など、治療がうまくいくようにするための原則やノウハウが書かれています。しかし、どんなにがんばっても、注意深くやっても、うまくいかないことがあるのがエンドです。本書は、うまくいかなかった時どうするか? どうしたら患者さんと良い関係を持続できるか?までも書いている非常にめずらしい書籍です。さらに、うまくいかなかった時に助けになる、先生方へのメッセージを随所に織り込んでいます。
本書により、先生方のエンドのストレスがすべて解決できるわけではありません。しかし、先生方の心を軽くするための一助となり、いつの日か本書をお読みいただいた先生方と「エンドは楽しいね」と語り合えることを強く願っております。
